日本水たばこ同盟(水た同)は日本の水たばこを取り巻く環境を赤裸々に考察・および解説することを目的とした同盟である。これから「日本シーシャ界の実情」と称し、不定期で当ブログで記事を掲載していくことを予定している。
目次
第1回:たばこの免許について
第2回:フレーバーの小売定価の中身
第3回:日本国内の登録済水たばこ一覧
国内で売られているたばこは全て小売登録がなされている
これまでの連載を読んでいただいている方々はご存知のことであると思うが、日本国内で流通しているたばこは全て法令上、小売販売に際して国から認可され、定価がさだめられたものでなければならない。これは水たばこも例外ではなく、同じメーカーでもブランド、味、重さが異なればそれぞれ異なるものとして個別に登録されている必要がある。
アルファーヘルのバニラを例にあげれば
銘柄:AL FAKHER Shisha Molasses Vanilla
重さ:50.0g箱
生産国:U.A.E
小売定価:1,240円
のように登録がなされている。
仮にアルファーヘルについての登録がこれだけだった場合、他の味、他の重さのパッケージを手に入れ店舗が販売・提供を行うと、未登録たばこの販売・提供となりたばこ事業法違反となる。ただし、個人がそれにかかるたばこ税を納めた上で入手し、自分で楽しむ場合は問題ない。
また、国内でたばこ事業法違反となる未登録の水たばこが販売されていたとすれば、そのように法令遵守の意識のない者が扱っている製品ゆえ、本来納めるべきたばこ税が支払われていない可能性が高い。その場合、まず販売した者はたばこ事業法違反だけでなくたばこ税法違反となる。
その上で、行政が販売した者を特定できなかった際には、購入者に納めるべきだったたばこ税の納税の義務が生じてしまう。店舗はもちろんのこと、個人で未登録たばこを楽しむ場合にはこういったリスクが存在することを知っておくべきだろう。
そういったリスクを避けるには、何よりも日本国内でどの水たばこが登録済みであるかを知っておくのが重要である。そして、国内登録済のたばこを調べる方法は2つある。
1.財務省のホームページ(製造たばこの小売定価の認可)
無料閲覧可能(過去2年分のみ・詳細検索不可)
2.官報情報検索サービス
有料だが1947年以降から現在までのものを検索可能
国内登録済のたばこを全て知りたいのであれば官報情報検索サービスを利用する必要がある。しかし、ひと月に2160円の利用料がかかる上、膨大なデータを調べることとなり、とてもではないが、水たばこを楽しみたいと思うたびにその銘柄について個人がいちいち調べる作業を行うのは酷である。
そこで、日本水たばこ同盟は1989年以降に登録された水たばこの全データを官報から抽出し、その一覧表を作成した。1990年以降としたのは、我々が調べた限り最も古くに水たばこの銘柄が登録されたのが2005年のことであり、平成元年を切りの良い数字としたからである。
また、一覧をまとめているうちに気になった点があったため、私感として以下の項目を加えておく。
・国内のシーシャ界で見かけることの多いフレーバーだが、登録がされていなかった銘柄
アルカイザー(AL KAISER)
アラマシ(AL AMASI)
アルファハマ(AL FAKHAMAH)
アルシャーク(AL SHARQ)
アダリヤ(ADALYA)
アルアジャミ(AL AJAMY)
デクラウド(DE CLOUD)※1
ヌー(NU)
※1 たばこの葉は含んでいないが、たばこ代用品としてSOEXのように登録すべき銘柄であるはず。
・登録されているが、流通している重さが異なるものを多く見かける銘柄
フマリ(Fumari)※1トライフェクタ(Trifecta)※2
ソーシャルスモーク(Social Smoke)※3
アルファーヘル(AL FAKHER)※4
アフザル(AFZAL)※5
デバジ(DEBAJ)※6
※1 1kgパッケージのものはほとんど登録されていなかった。※2 100gしか登録されておらず、実際の流通は250gを多くみかける。
※3 50g、100gのみ登録されていて、実際の流通は250gを多くみかける。
※4 1kgパッケージのものはあまり登録されていなかった。
※5 5種類のみ。
※6 50gが16種類のみ。
この表は2019年4月19日に作成したものである。表記に関しては官報の記載に準拠しているため、実際の流通名等と異なる可能性がある。今後、新規小売登録がされた水たばこがあれば随時追加していく他、表についての抜けや間違いなどがあればコメント等にてご指摘いただければ幸いである。
※令和1年1月15日登録済みのトライフェクタについて訂正
日本国内の登録済水たばこ一覧
令和1年5月28日:令和1年5月16日登録銘柄を追加
令和1年6月20日:令和1年6月12日登録銘柄を追加
令和1年8月22日:令和1年8月9日登録銘柄を追加
令和1年9月23日:令和1年9月18日登録銘柄を追加
令和2年1月15日:令和1年12月12日登録銘柄を追加
令和2年3月9日:令和2年2月25日登録銘柄を追加
令和2年5月15日:令和2年4月21日登録銘柄を追加
令和2年10月14日:令和2年10月9日登録銘柄を追加
令和2年12月18日:令和2年12月17日登録銘柄を追加
令和3年5月27日:令和3年5月18日登録銘柄を追加
令和3年12月3日:令和3年10月25日登録銘柄を追加
令和4年3月18日:令和4年3月7日登録銘柄を追加
コメント
コメント一覧 (5)
トライフェクタの100gは100gパウチとして登録されていますが、缶のパッケージで販売されているのを見かけます。製品の区分として、量+パッケージの記載があるのでパッケージが違えば別製品(未認可)として扱われるのではないかとも思うのですがどうなのでしょうか?紙巻は同じ製品、同じ本数でもソフトパック、ハードパックとパッケージ(名称)に合わせて2種類の登録があるように見受けられます。
量(g数)が合っていれば良いのか、パッケージの形態込みなのか。情報をお持ちでしたらお聞きしたいです。
中身の種類が同一であれば、パッケージが変更されたことを財務省に届け出していれば法律上は問題ないと思われます。
また、その場合の変更は官報へ告示されないため、他人が更新を把握することができません(告示されるのは新規登録と価格変更があった時のみのため)。
ただ、新しいパッケージなった場合、それに合わせた警告表記を用意しなければいけないため、その審査のために財務省にサンプルの提供を行っていると思われます。
フレーバーの購入した領収書などを提出すれば良いのでしょうか。。。